A DOCUMENT of "IrPad"

24 May 2011

 ■iPad(旧称)の起源と由来
  2006年2月、Anti-Yoというアメリカのヨーヨーメーカーの"eetsit"と言うヨーヨーを
手にしました。当時は金属リムヨーヨー全盛期で、フルメタルヨーヨーは珍しく、自分
にとっても初のメタルヨーヨーでした。デザインの良さと、その高級感は申し分ないの
ですが、競技に使うとなると、まだ金属リムヨーヨーに一歩劣ると感じていました。

Anti-Yo "eetsit"
その最大の原因は、レスポンスにありました。このeetsitのレスポンスは、ベアリングとレスポンスの間に仕切りの無いタイプの極浅いレセス(溝)で、付属のパッドもプラスチック系のもので、最初は良いのですが、持ちが悪く、競技使用には耐えないものでした。
しかし、メタルヨーヨーを使う満足感は大きく、どうにか戦える仕様にできないかと考え、思い立つ度に材料を買っては、パッドの試作をしていました。

各種ゴム、ステッカー類、テープ類、γゲル、に対し各種両面テープ。奇抜なもの
だと、ポケモンパンについてくる少しざらついたシールまで試しました。組み合わせ
も含めるとかなりの数の試作を行いましたが、極浅いレセスに合う、薄くて耐久性も
高く、滑りも戻りも良いレスポンスはなかなか得られませんでした。
当時の写真

そんな中、あるプレーヤーがOリング機種にシリコン
リングを入れて使っているのを見て、シリコンなら
行けるんじゃないか、と思い、早速試作。最初は
上手く行きませんでしたが、 シリコン系の接着剤を
入手し、漸く実用的なパッドが完成しました。
この接着剤が偶然ピンク色であった為、ピンク色が
特徴的なパッドとなりました。

同年12月、早速このパッドを付けたeetsitで、2007年度関東大会に出場したのですが、
結果は優勝。これは、国内で初めてフルアルミヨーヨーを使った優勝であったと記憶
しています。
これにより、メタルヨーヨーの実用性が示されたと共に、自作したピンクのシリコン製
パッドの性能も保証されたと思っています。

それから間もなく、そのパッドがSpinGearの長谷川さんの耳に止まり、販売させていた
だけることになりました。名前は、当時販売されていたキムパッド等と同様に、自分の
名前を文字り、"iPad"としました。以降、メタルヨーヨーの充実と共に、パッドもサイズや
厚みを増やしつつ、多くのプレーヤーに使用していただき、販売させていただける
ショップも増えました。
また、海外にもその名が広まり、Anti-Yoの"the BSP"、国内でもYOYOJOKERの
"UROBOROS(1st lot)"の初期搭載パッドとして利用していただきました。

■改名とリニューアル
旧IrPadロゴ
  2010年、apple社から同名のタブレットが販売されると
言うことで、ややこしいのと無用な問題を避けるため
に名称を集った中から"IrPad"に改称。ロゴやTシャツ
も制作し、順調と思われていた中、パッドに使用して
いたピンクの粘着剤が生産終了。そこで、新たにシリ
コン自体を、今までと同じ色になるように調色したピン
ク色で染め、より物理的に優れた接着剤を使用、各種
テストを経て、"IrPad 2011"として5年越しのリニュー
アルを果たしました。ロゴも新しく作り直しました。(文頭)


■"Team IrPad"と近日の動向
時系列的には、IrPad 2011が発表される前ですが、2011年度東日本大会直前に、
身近なプレイヤーであり、練習仲間であり、IrPadを愛用してくれていた藤坂達也氏・
橘保貴氏と共に、半ば勢いで"Team IrPad"を形成。海外では、セントラルベアリングや
G-string等パーツメーカーがプレイヤーを支援しているのに、日本ではそのような例
はなく、ならばIrPadがそれをしよう、結果、レスポンスパーツのチーム結成という、
他に例を見ない試みとなりました。

大会会場で販売した IrPad bottle
大阪で行われた2011年度全国大会では、yoyorecreationブースの一角にスペースをいただき、IrPad関連商品の販売をさせていただきました。お蔭様で、2日間で、約1200枚という、レスポンスパーツとしては前代未聞の数を販売することに成功しました。
今や、ヨーヨーリクリエーション用各サイズは、オーナーに
よりヨーヨーリクリエーション公式オプションとして認められ
ています。

Team IrPad については、この全国大会を機に飯塚隆大氏、徳渕皓要氏を迎え、
また、同大会にてメンバー全員が決勝に出場した上で、藤坂氏が1A部門で「優勝」、
徳渕氏が同部門4位入賞、橘氏が3A部門3位入賞・エクストリームトリック賞受賞と、
ポテンシャルの高さを見せ付けました。

メンバー5人分の紹介も兼ねて、"IrPad Movie"と称したショートムービーも公開。
それぞれ順調に再生数を伸ばしています。
以下は"IrPad Movie"プレイリストです。


■総括
このように、"IrPad"は、1つのレスポンスパーツとしては随一の歴史を持ち、
現代のヨーヨーシーンの少なくない場面で存在感のあるものとなってきたと
感じています。それも、Team IrPadのメンバーを始め、多くのヨーヨープレイヤー
に愛用していただいていることによる所が大きいと、常々感じています。
今後も最前線の競技者からビギナーまで、幅広い層の意見やニーズを
考慮し、それぞれにとって最高のレスポンスパーツを提供していく事を念頭に、
一製作者としても、加工クオリティ、品質管理の維持・向上を心掛けていきたい
と思います。

今まで"IrPad"を使用していただき、ありがとうございました。
今後も、"IrPad"をよろしくお願い致します。

2011年5月24日
岩澤 亮介

追記
最近は、旧型と新型のハーフ、というセッティングがお気に入りです。
今年の全国大会もそのセッティングで出場しました。
旧型は今後生産する予定はありませんので、手に入る今の内に
入手しておくのが良いかも知れません。

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